食と湯気の風景

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鹿児島には海辺の砂のなかにすっぽりと埋まって温泉を楽しむという
砂蒸し温泉がありますが、わが家が砂蒸し温泉に行くときには山川という地域にある
鄙びたほうに行くことになっております。義母の出身地だから。

山川の砂蒸し温泉の前には、温泉の蒸気を利用したふかし芋とゆで卵が販売されていて、
木製の蒸し器といい、風に揺れる湯気といい、独特の風情を醸し出しています。

これらは鹿児島の指宿・鰻地区に見られる調理方法だそうで、
指宿のそれは「すめ」と呼ばれているらしいです。
以前新聞にエッセイを書いていたとき、
湯気をテーマとした一遍の中で書いことがあります。

調理器具の中でも蒸し器が大好きな私は、
小さいのと大きいのと2種類の木製蒸し器を使うほか
フランス製のガラスの2段になったもの、
数年前にはやったモロッコのタジン鍋などコレクション気味ではありますが
こういう屋外で天然温泉の湯気で蒸されているのは格別で、
湯気につられてついふらふらと中をのぞき込んでしまいます。

湯気好きの原点は祖母宅のおくどさん。
台所と屋外と2か所に計5つあって冬になるといつも湯気が立ち上っていたものです。

湯気と言えば枕崎の鰹節向上から立ち上がる湯気も印象的。
美味しいものは湯気から生まれてくるのです。

おそらく湯気もうもうだと思われる食品製造工場への見学が近々に予定されており
どんなものを生み出していけるのか、湯気拝見とともに楽しみにしております。<中島秋津子>