「売れる」の定義から
「売れるデザイン」が生まれる。
市場・流通を踏まえたデザイン設計で「売れる」につなげる。
一口に「売れる」と言っても、案件により流通により、「売れる」ために必要な要素はさまざまです。
たとえば、店頭に並ぶ前にはバイヤーに採用されることが「売れる」第一歩であり、陳列されたらお客様の購買選択肢に入ることが「売れる」ことにつながります。
たとえば、ECサイトの場合はそのサイトへの訪問者が増えることが第一歩となり、その後は「買うに値する、買って大丈夫」と思っていただくことが「売れる」ことに近づきます。
お買い求めいただくための必要要素・プロセスは明確ですから、それを踏まえたデザインであることは、最低条件となります。
おしゃれなデザイン、カッコいいデザインが求められる場は限定的。
デザイン=おしゃれにすること、カッコよくすることという誤解は根強いものです。
しかし、その商品、会社は「おしゃれであること」「カッコいいこと」が社会に存在するための必要要素なのでしょうか?
その会社の経営方針や商品コンセプトに密接に結びつくことですが、会社にも商品・サービスにもそれぞれアイデンティティがあります。独自性があります。
そのアイデンティティや独自性を踏まえてデザイン戦略を立案することが「売れる」確率を上げることにつながります。
「売れるデザイン」の定義例
接触率をアップするデザイン
商品・サービスの販売でも、会社のブランディングでも、対象となる層との接触率を上げる工夫が最初の鍵となります。
行動率をアップするデザイン
問合せする、購入するなど、求める行動を喚起できるようなデザインには、写真・デザインなどのビジュアル要素に加え、言葉による理由づくり・確信づくりが必要です。
想起率をアップするデザイン
価格以上の選択価値があること、読んだ・試した・買ったなどの行動・体験価値に加えてビジュアル・シンボルが想起される=思い出されることがブランド化につながります。
対象者と出会う場所はどこですか?
- 展示会や商談
- オンライン商談
- 小売店
- 企業公式サイト
- ECサイト
「対象者の言いなりになる」という大きな誤解。
対象者と出会う場所やその気持を想像することがデザイン開発においては重要な起点となりますが、それは対象者の言いなりになることとは違います。
一般のお客様にせよ、その商品を仕入れるバイヤーにせよ、既存の商品・サービスでは満たされないことを新しい商品・サービスに期待するには、「眼の前に出現した選択肢」という存在が必要です。
まだ世の中に無いもの、見えないもの、体験できないものに適切に批評するのは、多くの人にとって非常に難問、不可能なことです。
調査設計で「どんなものが欲しいですか?」という質問はほぼ意味を為さないと言われるのはこのような理由によるものです。
対象者の気持ちを想像するのは、その商品・サービス、そして会社のどの点を引き出して対象者ニーズと結びつけるのかというコミュニケーション戦略を組み立てるため。
「声」の利用方法を間違えると、当ては必ず外れるものです。