
ウイズコロナ時代、
ますます重要性が増す「ブランド」。
ブランドとは何か。どうビジネスに役立つのか。
「ブランド」の定義としては様々な言い方がありますが、STUDIO Kでは、シンプルに「商品・サービスの価格以外の選択理由がある」と定義しています。
つまり「安いから」「手頃な価格だから」ではなく、それ以外の商品選択理由を持ち、それがビジネスとして成立するレベルで存在し得ている状態と考えています。
ブランドのメリットとして
- 社内の意思統一が図りやすい
- 採用がしやすい
- 社員のロイヤリティが高い
- お客様がリピートしやすい
などが代表例です。「パーソナル・ブランディング」を目指す個人も多いとのこと。
ブランドはロゴマークのことではなりません。事業の提供価値からもたらされる知覚・体験価値がその中核です。つまりブランディングはデザイナーの仕事ではなく、経営層やマネージャーが取り組むべき重要な経営テーマなのです。
ウイズコロナ時代、なぜブランドの価値が上がるのか。
新型コロナウイルスへの感染予防のための新しい生活様式の普及・定着に従い、これまでの購買行動が変化することが予測されています。すでに一部は現実のものとなっています。
◯スーパーでの滞在時間が減った
→商品をじっくり吟味している時間はない
◯通販の利用頻度が増えた
→メディアはWEB。商品選択時、チェックする商品点数は店頭>WEBであり、詳しく商品情報を確認する際にはサムネール(写真)とともにブランド認知度が大きな影響を与える。
◯行動範囲・行動の種類が制限される分、新しい商品情報との接点が減少
→未知の新しい商品・サービスよりも、既知のモノ=ブランドを選ぶ確率が上昇
このような消費行動の変化を背景に、これまでも商品選択においてブランドが強いことは知られていましたが、今後さらにこの傾向が加速すると考えています。
ブランディングと事業成果

【行政自治体事業】鹿児島の食とデザイン(鹿児島県)
県内食品関連産業において、デザイン導入を図り、価値伝達、付加価値向上を目指す事業。事業成果を上げるため、事業そのもののブランディングを図り認知率・参加率・行動率の向上を図りました。

【冷凍パスタ】屋久島パスタラボ(屋久島ヴィータキッチン)
屋久島にあるレストランが島外販売を目指して商品開発。通常パスタと比較すると数倍の高価格帯であるため、しっかりとしたブランド設計を行い、価値の裏付けを各種メディアで伝達しています。

【デリ惣菜】ちびメンチ(エーケーエム)
物産館の1コーナーとして展開していた精肉・惣菜売場の増収策として、単品商品にフォーカス。徹底的な露出拡大と店頭というロケーションを活かし、知名度・購入者数・購入個数・売上のすべての購入指標を数ヶ月でアップ。
ブランド・ブランディングに関する典型的な5つの誤解
- ロゴマークをデザインしてもらったらブランドでしょ?
- 全体的に統一した見た目を作ればいいんですよね?
- この新商品、最初からブランドとして売りたいんですよね。
- すごい知られているんですけど、利益出てないんです。
- うちはブランドとか無理だから・・・。
ブランド化とデザインの関わりについて。
ブランディングのためのデザインは存在しますが、デザイン=ブランドではなく、デザイン開発=ブランディングでもありません。
デザインは見えない価値を見える化するというすばらしい特性があります。
会社の指針や商品コンセプト、お客様が喜んでくださる提供価値、それら見えないものを見える化してくれます。
しかも文字に比べるとコミュニケーション・スピードが一般に速くなるという特性もあります。
見えない価値を見える化することで、その価値を喜んでくれるお客様に見つけてもらいやすくなります。「これは私向けのものだ」ということがわかりやすくなります。
社員関係者も見える指針があればブレることが少なくなります。一貫性が保ちやすくなります。
これがデザインによる見える化の価値です。しかし、それは「見せるべき価値」あってこそのお話。見せるべき、伝えるべき価値そのものは、会社の経営・事業活動の中で生み出していく、連綿と続く営みに他なりません。
ブランドはデザイナーが作るものではなりません。作るのは会社自体、デザイナーはそれをシャープにしたり整えたりエッセンスを抜き出したり不足を発見したり・・・。伴走役のような役割だと考えています。


