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セミナーin広島 デザイン開発の要はオリエンテーション

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公益財団法人・広島市産業振興センター様主催のデザイン講習会にて広島に行ってきました。
タイトルは「地域産業のためにデザインができること」。

ご参加いただいたのは40名程度。デザイナー1/3、企業様2/3という私の講演としては珍しい構成(ふだんは企業様ほぼ100%です)、かつ食を含めた多様な業種の皆様。中には弁理士という専門家の方もいらっしゃいました(非常に嬉しいです、デザインと知財がヒトという単位で近づいていくのは)。


食分野で培ってきた「デザインの重要性」「デザインの力を事業・経営に取り入れる方法」「デザイナーと企業の関わり方」が3本柱ですが、裏テーマとして設定したのは「デザインとブランディング」。折々にデザイン開発がブランディングにどう影響するのかのお話も取り混ぜた今回の講演。

3時間と長丁場ですのでワークショップも取り入れました。「オリエンテーションの準備」が題材です。

ワークショップのテーマをオリエンテーションにしたのは、表面的なデザイン作成で終わるか、事業や経営の戦略に触れるところまで掘り下げた本質的なデザイン開発までたどり着けるかのち外は、オリエンテーションに大きな差があるから。

「打てば響く」という言葉の通り、デザイナーは非常に専門性の高い知見・思考・技術を持った人たち。発注側の企業の方々の依頼方法=テーマ設定一つで、大きくも鳴るし、小さくも鳴る。デザイナーの力を本気で引き出すためのオリエンのため、発注側の立場でオリエンテーションシートを作った上でグループで共有していただきました。

実際、私も過去数々の場面で、事業的な難問題をデザイナーと一緒に解決していくことができた経験があります。通り一遍の情報伝達を超えて、経営目的や事業戦略にまで昇華できるデザイン開発の有効性を肌身で知っています。

「デザインをしても何も変わらなかった」という事態に陥らないために、「何を依頼するか」という依頼内容そのものに注力して前準備するのは、とっても効果的です。

今回のセミナーの主催者:広島市産業振興センター様では、クリエイティブの力を産業に取り入れるため、クリエーターと企業のマッチング等を精力的に行っていらっしゃいます。そのベーシック・プラットフォームが「と、つくる」というサイト。
https://totsukuru.jp/
トップページにかかれている、
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「ともに、つくる」を大切に、企業の前進をお手伝い。
ひろしまのデザイナーと企業をつなぐ相談窓口。
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はマッチングを手がける機関の役割をとても明確に表現されています。また広島は独自のグッドデザイン賞も設けていらっしゃり、地域産業全体にデザインの力を取り入れていくさまざまなプラットフォームができていると感じました。こういう恒常的な土台があるかどうかは、5年後・10年後に大きな差を生むに違いありません。


これは私の母校・広島大学の旧キャンパス。移転したので今は公園になっていますが、門柱や並木のメインストリートは当時のまま。参加者の皆さんの広島弁という懐かしい言葉とともに、少し懐かしい風景にも出会うことができました。

nakashima