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《中小企業の採用5》接点✕コンテンツで、認知のアプローチを

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▶採用活動の前に「見つめ直すべき6つのこと」
中小企業庁がまとめた「中小企業・小規模事業者における人手不足対応研究会とりまとめ~中小企業・小規模事業者人手不足対応ガイドライン(H29.4)」では、採用を行う際に3つのステップ・6つの項目で見直しをしてみようと提案しています。これまでに経験した「採用できない」会社の課題や実施ポイントが、概ね6項目のどこかに該当するので、まずはこの6項目をざっと確認することが糸口になりそうです。


▶ステップ1ー①:背後にある経営課題を見つめ直す
「人が足りない→即採用活動」となる前に、経営課題そのものに立ち返り、なぜ人材確保が必要なのか、その人材で何を実現しようか見直すステップです。今まで通りの組織構成・ラインの組み方であれば必要だが、そもそもその組織・ラインは今後、伸びる方向性なのか、重要なのか。それとも次第にシュリンクするのか。経営課題への取り組み方が変われば、人材確保の必要性も、必要な人材イメージも変わってきます。

▶ステップ1-②:補充したい業務を見つめ直す
従来手法では変えられないのか、見つめ直そうというステップ。業務分析を行って、工程を細分化。一部はアウトソース、一部は他部に移管、一部だけ残すなど、業務の細分化により「プラス一人」の予定が、「プラス0.5人」になったり、「今のままでもできる」になったりするものです。

▶ステップ2-①:業務に対する生産性を見つめ直す
現在の業務に効率化できる方法はないかを探る観点です。業務の見直しにより改廃・組み換えを行うほか、IT導入による効率化、外部プロフェッショナル人材への委託など、様々な可能性があります。

▶ステップ2-②:業務に対する求人像を見つめ直す
たとえば退職で欠員1となった時、同じ業務を同じ要件の人員で行うかどうか、ここは良い採用につながる非常に重要なポイントです。前述のステップで業務のスリム化や組み換えなどにより、求人像が変わることもあります。また今までは経験者だけを採用していたが、人材育成の仕組みを作れば、未経験者でも数ヶ月で基本業務を習得できるとわかり、求人増が一気に変わるケースもあります。

▶ステップ3ー①:人材募集・自社PRを見つめ直す
過去記事(下記参照)でご紹介した通り、中小企業や小規模事業者においては、情報提供が圧倒的に不足していることがわかっています。この企業からの情報提供は「接点✕コンテンツ」の2項目で考えると効果的です。接点とは「どこで、どういう方法で、求める人材と出会うのか」、一般にメディアとメディア接触理由を明確化していくことです。コンテンツとは「接点の上で、何の情報を、どの順番・どんなクリエイティブで提供し、どういう行動を接触者に期待するのか」ということです。通り一遍の情報では、求職者の心を動かすことはできません。

▶ステップ3-②:職場環境を見つめ直す
最近では女性活躍、シニアの活躍、副業・兼業、インターンなど、働き方の多様化が注目を浴びています。たとえば全員一律の勤務時間を流動化する、一部短時間勤務制度を導入する、お子さんがいる女性が働きやすいよう、例えば病欠対応の制度を設けるなど、バリエーションある勤務スタイルを設けることも採用・定着につながります。例えば男性がほとんどの職場に、女性用休憩室をきちんと設けるなども職場環境の改善事例となります。

▶見つめ直しの仕上げは「入り口づくり=知られること」
存在しない夢のような求人増に固執しても、採用はできません。
採用しても定着して安心して働いてもらわなくては、ムダな採用活動を繰り返すことになります。
何より、「中小企業や小規模事業者は、そもそも、その存在も、企業情報も、求人情報も、何も知られていないのだ」という事実を受け止め、「知ってもらう・わかってもらう」ための準備をすること無しでは、他をどれだけ見つめ直しても、人員補充に改善は見られにくいままに終わってしまうでしょう。知られるための独自のアプローチがあれば、経営上の大きなアドバンテージになりそうです。