
仕事の中で「あ、デザインどうしよう!」というタイミングは、多くあるものです。
新商品・サービスを発売する、新しいプロモーションを行う、ネット広告や新聞広告を出す、お客様にお渡しする会社情報をちゃんと作りたい…。
これらはすべて、「誰かに何かを効果的に伝えよう」とする時。今は便利なアプリがあるので何となくのフンイキ・デザインは誰にでもできますが、戦略性や確実性が必要な場面では、専門性をもって視覚化してくれるデザイナーを探して決めることが必要になります。
1.自作デザインとデザイナーデザインの違い
自作デザインは、思いついたらすぐできて、コストを抑えられる(自社の労働コストのみ)というというメリットがある一方、結局伝わらないデザインが生まれてしまうケースや、経験が少ないことで品質感やブランドイメージを毀損するデザインが流通してしまうケースも発生しています。
さまざまな画像編集アプリもあるので、必要な場面に応じて、自社で手掛けるもの、デザイナーに依頼するものを分けて考えてみてはいかがでしょうか。
デザイナーに依頼したほうが良いものとしては、
- 戦略性が必要なもの
- 会社の商品・サービスとして代表制があるもの(=顔的な存在)
- 長期間使用するもの
- 確実なレスポンスが必要なもの
- 見る人に高次な、または複雑な情報処理を求めるもの
と考えるとよいでしょう。
2.デザイナーの探し方と注意点
1)検索する
デザイナーを探す時、まずはネットやSNSで検索する人が多いでしょう。「地域名 デザイナー」「地域名 デザイン会社」などで検索して、いくつかのサイトを閲覧してみてください。プロフィールはもちろん、デザインに対する考え方の記載を読むと検討に大いに役立つはずです。また、きちんと仕事をしている人(自称デザイナーではない人)であれば、これまでの実績・事例も掲載しているので、どんなデザインをする人かを確認することもできます。
2)知り合いに頼む
また知り合いのデザイナーに頼むケースもあります。知り合いなので人柄や仕事ぶりも何となくわかっていて安心感があります。その場合は、その人の強みが自社の案件に合っているかを確認しましょう。
3)知り合いの紹介
知人からの紹介も有効です。(このデザインいいな!)と思うデザインを見つけたら、その会社の人に「誰に頼んだの?」と聞いてみる方法もあります。
3.デザイナー検討の5つのポイント
1)何の強み=得意分野を持っているか?
デザイナーにはそれぞれ得意分野があります。フリーペーパーやチラシ中心の人、パッケージデザインが得意な人、おしゃれなものばかりデザインする人、いろんな表現ができる人、ほんとうにそれぞれです。「今回の案件にはどんな強みを持つ人がよいか」を考えてみてください。
2)自社にない視点を持っているか?
第三者として新しい視点を提供してくれるデザイナーは貴重です。自社では気づけないアイディアやトレンド感覚を取り入れることで、より魅力的なデザインが生まれます。また当事者ばかりで作ってしまうと見た人が「わからないこと」に気づかず、「初めての人に伝わりにくいデザイン」になりやすい傾向があります。対象者の理解プロセスからデザインを検証できるのもデザイナーの専門性の一つです。
3)デザイン会社とフリーランスとどちらが良いか?
フリーランスは柔軟性があり、タイミングが合えばすぐ動けるなど機動力があります。その一方、何かあった時の代わりが効かないという問題も。実際、「依頼していたデザイナーと連絡がとれなくなった」というご相談をいただいたこともあります。
またデザイン会社やデザイン事務所など組織の場合だとデザイナー以外の人物がいるので、たとえば原稿作成、調査、確認、校正など、提案時点ですでにデザインチェック=スクリーニングを数段階終えた練られたデザイン案が提案される優位性があります。それぞれのメリット・デメリットを比較検討しましょう。
4)どの段階を依頼するか?
「企画段階から依頼するのか、具体的な方向性が決まってから依頼するのか」
「参照すべき市場データは調べてもらうのか、提供するのか」
「印刷会社・制作会社は紹介してもらうのか、自社の指定会社で行うのか」
「ロゴやマークは規定のものがあるのか、新作するのか」
など必要なサポート範囲を明確化することが大切です。
5)話しがしやすいか?
相性も重要なポイントです。特に初回の打合せやデザイン案の修正を伝える場合、イメージを共有しやすいことや話すリズムが合うことは、より良いデザイン開発につながります。
こちらの意図を汲み取り、(熱心に考えてくれるな)(課題に一緒に取り組んでくれそうだな)など、信頼関係が築ける相手なら安心して進められます。
4.決定=依頼する前に必ずすべき4つのこと
1)実績や事例(ポートフォリオ)を最終確認しよう
過去の作品を見ることで、そのデザイナーのスタイルや実力、技量の幅、経験の多少がわかります。実績や事例がわからないまま依頼するのは、後で(イメージと違う)などの問題が起こりやすいものです。
2)一度会ってみよう
直接会うことで、お互いの考え方やコミュニケーションスタイルがわかります。リアルでもオンラインでも良いので、顔合わせは大切です。リアルだと相手の事務所に行くことで、過去事例の実物を見たり、デザイン環境が確認できるとより検討しやすいものです。
3)スケジュールを確認しよう
納期を伝えて、稼働可能か、いつからスタートできそうか、納期は守れそうかなど進行スケジュールを確認しましょう。
4)見積を依頼しよう
(どのくらいの金額?)は一番気になるところですが、オーダーメイドでデザインする場合、ある程度依頼内容が固まらないと見積が出せないことが多いものです。また費用感は重要な判断基準ですが、安さで選んで支障がでることもあるので留意してください。
5.決定して正式依頼、打合せからデザインは始まる
正式依頼後は、まず詳細な打ち合わせからスタートします。この段階で商品コンセプトやターゲット層、希望するイメージなどを具体的に共有しましょう。また、印刷・制作会社はどこか、納品形式なども事前に取り決めておくとトラブル防止につながります。