誤字脱字から事実確認、最適な伝え方までを確認する
デザイン案を仕上げていく場合に必要なプロセスとして、校正・校閲という段階があります。表現されている内容が正しいか・適切かを検討・吟味する段階を示します。
どんなにすてきなデザインであっても、誤字脱字が含まれていたり、事実ではないことが表現されていると、そもそもの信頼性が失われます。
校正・校閲については、人や業務内容により異なるところがありますが、ここでは「デザイン案を仕上げる」という観点で説明します。
ちなみに校正と校閲、それぞれこんな意味になります。
【校正】文字・文章の間違いを見つけ正すこと。
【校閲】文章の内容やデザインを吟味し意図との合致、表現としての適切さの観点から正すこと。
とかくデザインされたものは、紙であれWEBであれ「正しそう」という先入観が働き、間違いが見つかりにくいもの。特に経験上WEBは要注意。
「人間誰しも間違う」という前提に立つことが効果的な校正・校閲のためのポイントとなります。
1:【校正】表現の誤りがないか
(1)文字の表記は正しいか
・誤字脱字はないか
・送り仮名や漢字の開き閉じなどは統一されているか
・特にひらがな・カタカナ続きの箇所は誤字が発生しやすい
・特にタイトルなど文字が大きいところは誤字脱字を見逃しやすい
・社名・住所・電話番号・メールアドレスなどアクセス手段は原典と照合して確認する
・QRコードはきちんと読み取れ正しいWEBページが開くか確認する
・「下記・上記・次ページ」などの指示語は正しいか
(2)使用されている画像(写真・イラスト等)は正しいか
・画像の使用位置は正しいか(画像が多い場合、挿入場所を間違えやすい)
・画像が左右反転していないか
(3)文字サイズは適切か
対象者や使われ方により必要な文字サイズは変わります。可読性・視認性の観点から確認します。
2:【校閲】ターゲット像と照合する
デザイン開発で効果を及ぼしたい~ターゲットはどんな人か。
ペルソナと言いますが、想定するターゲットを一人の人としてイメージし、その属性や行動パターン、嗜好性などをまとめたもの。
その設定した人はこのデザインを見て狙った通りの反応をしてくれそうかを検証します。
場合によってはターゲット像に近い人の意見を聞いて吟味、反映することも効果的です。
この段階は1人で実施するよりも、デザイン開発に深く関わっている数人で取り組むほうが効果的です。
3:【校閲】デザイン開発の目的と照合する
デザイン開発にはそもそもの目的があるはず。
ターゲットとの接点など購買者側からのチェックと、商品コンセプトや事業の狙いなど提供者側からのチェックと、2方向から検討します。
オリエンテーション・シートを横に置きつつ、コンセプトとの一貫性があること、目標に近づけると確信できることが重要です。
この段階は1人で実施するよりも、デザイン開発に深く関わっている数人で取り組むほうが効果的です。
4:【校閲】デザイン意図の達成度合いをチェックする
デザイナーは「社外の人」であり、発注主=当事者には見えないことが見えることも1つの強み。
また数々のデザイン・プロジェクトに関わった経験をもつ専門家でもあります。
そのデザイナーがどう考えてデザインしたのかを尋ねてみると、発想を飛躍させるヒントがひそんでいることもあります。
事情はわかっているが社外の人であるというデザイナーの立場を上手に役立ててください。
5:【校閲】実現可能性を確認する
いいな!と思ったデザイン案も同じ商品群や同じ媒体に似たものが多けれは埋没してしまいます。
またそのデザインをのせる容器包装・パッケージやポスターやパンフレット、看板などのメディアの質感や特性、サイズ、接点の場所などに制限はないか、実現できるかを確認することは非常に重要です。
良いと思ってはいても印刷してみたらポスターが大きすぎて貼れる場所が非常に少なかった、容器に印刷してみたら売場では見えない場所に大切な情報を掲載していた、などの笑えない話は多いものです。
できるだけ実物大で、ほんとうの場所や使用シーンにおいてチェックしてみてください。