デザインの見積書の読み方と注意点

デザインの見積書その読み方と注意点

デザイン費の基準は無いので、お気軽に見積もりのご依頼を

デザインの予算は見えづらい・・・というお話をよくいただきます。

デザイン会社としてはとても申し訳なく思う所ではありますが、何をするかが決まらないとお見積りも作れないのもデザインする側の事実です。

その分、最初にいただくご相談やお見積作成は無料、そこからご判断いただくというスタイルをとるデザイン会社が多いと思われます。

またデザイン費はその絶対金額だけで比較すると、「デザインしたけど何も変わらなかった」ことになりやすいことにもご注意ください。

1:デザインの見積を依頼しよう

たとえば、こんな商品パッケージのデザインをお願いするとしましょう。

◯新商品(さつまいも菓子)のパッケージデザイン
◯透明PP袋入のものを、さらに厚紙の箱に入れて販売
◯味違いで5種類、売価は1個あたり400円(税抜)の予定
◯ネーミング案はあるがよいものがあれば提案してほしい
◯売り場は県内土産物店、地域物産売り場
◯デザイン完成は3ヶ月後、その後印刷して4ヶ月後から店頭での販売開始

2:同じ内容でもデザイン会社・デザイナーにより見積内容が異なる

たとえば3人のデザイナーに1の条件で見積もりを依頼したとしましょう。

見積書の例

【見積書1 デザインオフィスX】
撮影費以外のいろんな要素をまるっとまとめて「パッケージデザイン費」と記載しています。

【見積書2 デザインオフィスY】
パッケージデザイン費をロゴデザインとパッケージデザインに分けています。かつ、撮影費も商品と風景に分けています。

【見積書3 デザインオフィスZ】
パッケージデザイン費を基本パッケージデザイン費とシリーズ分にわけています。かつ見積書1・2にはないネーミング・コピー料という項目が計上されています。

このように「デザインに関わる費用をどの項目で、どの程度の細分化度合いで計上するか」は会社によって異なり、同時に「その項目の中にどの領域までを含めるか」「どこまでを業務範囲として考えるか」も異なります。

3:見積書に見え隠れするデザイン会社としての考え方

デザイナーから見積りが提出されたら、その記載内容について不明な点は直接ご質問ください。

そこでデザイナーと発注主の役割分担や、デザイン検証にあたっての参加度合い、デザイン前の調査への取り組み度合いなども聞き出して、「成果に向けてふさわしい動き・検討・開発がなされるのか」という観点で確認をされると良いでしょう。

逆に言うと、見積書の項目にしたがって、今後のデザイン開発の進め方や関係者を確認していくということになります。

また触れられていないことが多いのですが、デザインは買取かどうかなども一緒に確認すべきことです。

執筆者 中島秋津子

執筆者プロフィール

株式会社STUDIO K
代表取締役 中島秋津子

◯株式会社ベネッセコーポレーションでマーケティング・プロモーション・広告ディレクション・通信販売事業などの経験を経て、鹿児島に転居。
◯2007年STUDIO Kとして創業し、2014年に法人化。
◯「伝える力を会社と地域のエンジンに」という方針のもと、商品・サービスの魅力が「お客様に届き、より伝わりやすく」するサービスを、デザインと言葉の両面から提供。
◯趣味はウイスキー、エア野菜づくり。

<資格>PRSJ認定PRプランナー
中級食品表示診断士
食品生活アドバイザー(内閣総理大臣および経済産業大臣認定)