デザイン導入への社内の意識を統一するには?
経営陣は積極的だが現場は否定的。
製造側はパッケージを変えたいが、営業側はデザインを信じていない。
もともとデザイン活用に優れている一部の会社以外は、社内で「デザインをやってみよう」「うまく使って事業を加速させよう」などの意識が統一されていることはほとんどありません。非常に稀です。
そのため、一部のメンバーでデザイン導入を進めても他部門や関係者などからの否定的な声や横槍が入り、本来出るはずのデザイン成果を享受できなくなってしまった・・・ということも発生しています。
そうならないように、社内・チーム一丸となって進めていくための「体制づくり」という観点でのポイントをご紹介いたします。
1:社内でデザインについて勉強会を開催する
デザイン導入を図る場合は、事前に役員会や社内会議などの場を使って、デザインに関する勉強会をすると効果的です。
実際STUDIO Kでもこのようなご依頼をいただき、その会社や自治体で1~2時間程度の導入勉強会やセミナーを行うこともあります。
内容は、そもそもなぜデザインが重視されるのか、デザインには何ができるのか、どんな会社・商品・店舗・サービスがデザインで成功しているのか、それはなぜかなど。
デザイン導入前のガイダンスとして、これらの基礎知識を得ておくと、デザイン導入効果が上がりやすくなり、プロジェクトの進行も非常にスムーズになるものです。
「デザイナーへの依頼に反対していた営業部長が一番楽しそうに話してた」と社長さんから言われたこともありました。
合わせて、導入勉強会やセミナーで感じるのは、デザインがわかるかわからないかは別として、デザインを嫌いな方にはお会いしたことがありません。案外、みんな興味をお持ちなのです。
2:社内での関係者をリストアップする
例えば新商品について、卸先店舗に配布する店内ポスターをデザインするとしましょう。
◯経営層
・社長なのか常務なのか専務なのか、それとも各部長に任せるのか
◯商品開発または製造の責任者・担当者
・商品開発背景や商品規格書、品質管理情報のご提供・確認のため
◯営業の責任者・担当者
・卸先へのセールスという観点から卸先企業・店舗の情報ご提供および確認のため
・卸先へのセールスシート(営業規格書)と効果的に関連づけるため
・支社がある場合は各支社はプロセスに関わるのかどうか
◯経理部門
・ここは費用確保の観点から。
他に広報、広告宣伝の方がいらっしゃれば、それらの方も含めて、誰がどの段階で関わるのかをリストアップしておきます。
事前にデザイン開発の概要について知らせておくとスムーズに進めやすくなります。
3:社外の関係者をリストアップする
では社外ではどんな人が関わるのか。
大きく2タイプあります。
◯デザイナーを始めとするクリエーター
・デザイナー、カメラマン、イラストレーター、コピーライターなど
・デザイナー以外のクリエーターについては、デザイン案が確定してからでもOKで、デザイナーに人選・依頼などを任せ、デザイナー経由で支払うケースが多いと思われます。
◯顧客・ファンや一般消費者
・既存顧客やファンがいる場合、その方々の意見を伺うことも効果的です。
・ある意味、「無責任な個人の感想」を聞くことが目的なので、言われたからそのまま反映する、というよりは、集まった無責任な個人の感想から何がわかるのかと深堀りして検討していくことがポイントです。