濃いきのこ香る 森のだし:パッケージデザイン

▶鹿児島県主催の食品関連産業振興プロジェクト内で、県外への販路開拓をめざす「商品ブラッシュアップ・プログラム」にてパッケージデザインを担当。

えのき茸などきのこ栽培を行う組合。えのき茸栽培時の培地に特長があり、青果として出荷するきのこも「味が濃い」など定評がある三笠えのき茸生産組合さん。

培地の特長とは通常はとうもろこしの芯チップ(タイ産)を用い栽培後は破棄されるが、本組合では「恵みの好循環」をコンセプトに、県産杉の間伐材や地元の米ぬかでオリジナルの培地を開発されえおり、栽培後は肥料として田畑で再利用しています。捨てられるものを用い、さらに肥料化して地元に戻すという好循環を産業において実現されています。

この商品は4種の乾燥きのこ+醤油ダレ。きのこの旨味成分を利用して、そばなど麺類の具・出汁として提供するもの。通常「出汁」というと昆布や鰹節・いりこなど海産原料が多い中、きのこを出汁材兼具材として提案するため、「海の出汁」に対して「森の出汁」というコンセプトを設定しました。

デザイン・アイデア:商品名「森のだし」という文字の中に、主原料である「きのこ(木のこ)」の文字が潜んでいることに着目。最初に見た時は「森のだし」が目に入り、次の瞬間に「木のこ」の文字が浮かび上がってくるような認知構造をデザインすることが狙いです。

きのこ=森の雰囲気を連想させるため、木を削り出したようなカクカクした版画的な書体をオリジナルでデザイン。「森のだし」という商品名の一体感を保持したまま、その中で浮かび上がる「木のこ」の文字を色味・配置などで具現化しました。

直線的な縦組みにすると「木のこ」の文字間隔が開き可読性が損なわれるので、文字が左下へ流れるように配置、「し」の文字を大きく・傾かせることで全体のバランスをとったデザインになっています。

パッケージデザイン

濃いきのこ香る 森のだし:パッケージデザイン

農業生産法人三笠えのき茸生産組合

◯パッケージデザイン
◯商品ロゴデザイン
◯イラストレーション

販路開拓コーディネート:ジーブリッジ

パッケージデザイン:STUDIO K 和田幸江

※2018年3月