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【読書】年始のマーケ人の本から『劇薬の仕事術』

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この年末年始はマーケティング関連本の読み直しをしておりまして、ざっと挙げると
⚫『圧倒的な成果を生み出す「劇薬の仕事術」』足立光著 ダイヤモンド社
⚫『マーケティングとは「組織革命」である』 森岡毅著 日経BP
⚫『マーケティング22の法則』 アルライズ・ジャックトラウト共著 東急エージェンシー
⚫『デジタル時代の基礎知識 ブランディング』 山口義宏著 翔泳社
などなど。

多くは過去に読んだことがあり、『マーケティング22の法則』に至っては、恐らく前職でマーケティング部門に居たときから何度も読んでいるので、20年近くの長い付き合いに及んでいる本です。

今回初めて読んだのは『劇薬の仕事術』。P&G、ヘンケル、マクドナルド等であたかも「マーケ侍」のように、行った場所、入ったブランドでことごとく成果を出されてきた足立光さんのものです。中島個人としては新卒の就職活動時に最後まで迷ってたマクドナルドで劇的な成果を出した方としてとても気になっている方です。

【章立て】
第1章 すべての「選択」は自分が決めている
第2章 「修羅場」が一番、人を成長させる
第3章 人の倍の速度で「成長」する
第4章 マネジメントには「意思」がいる
第5章 どんな状況でも、やりようはある

P&Gというマーケティングの強い会社でマーケを極め、ヘンケルや日本マクドナルドで実績をだしてきた足立さんの現場感あふれる記述に、そうだそうだと相づちを打ったり、これ最近忘れてたなという見直しになったりと、ふむふむと頷きながら読了。

気になった記述を3つ挙げると、まずはこれ、すべての大基本。
P10:ビジネスの基本は、人の心に影響を及ぼし、具体的に行動を変えることであり、まさにそれがマーケティングの仕事だと考えていました。
そうなんですよ。商品を製造することやデザインをすることそのものは単なるDOであり、そのさきに「対象者の行動変容」を見据えてこそ、なんですよね。深く深く同意いたします。なのですが日々眼の前のことをやっていると、そのDOに溺れてしまうのも事実。溺れない仕組みが組織には必要なんですよ(しみじみ)。私も会社のスタッフと話すときの一番の口癖だと思います。

P21:むしろ負けるとわかっている戦いに出ていく厳しさや非効率を知りました。こうすれば勝てるのではないか、という仮説があって戦わなければ、どんどん疲弊してしまうのです。
この位置に立てば新しい価値伝達ができるな、この位置には誰もいないな、セイリエンスが際立つな。浴びるほど情報=事実を集め思考しそのポイントが見えたら、あとは緻密に実行しきるのみ。ほんとにこのポイントが見えた時は、ピカーンと嵐の海で雲の切れ間から太陽の光が刺してきたくらいの気持ちになるんですよね。ピカーン!ですよ。まあ実行し切らないと意味ないんですけど。

P52:同じ商品でもコミュンケーションを変え、見せ方を変えてみるのは、マーケティングの基本です。
これは本当に。一つの商品にはいくつもの魅力があり、その数だけ見方があるということを、実は価値提供者であるメーカーの方やサービサーの方はご存じなかったりします。売れないのは商品が悪いから?それとも見せ方が悪いから?それとも両方?そこはじっくりと検討する価値が大きなポイントです。なぜなら商品サービスをすぐに変えたり新規に作ったりするのはそんなに簡単ではないからです。たとえば有名なところでは、大塚製薬さんのバランス栄養食「カロリーメイト」は発売の1983年以来、いわゆるオワコンにならないように、常にターゲットを変え、コミュニケーションを変え、今でも必要とされる商品で有り続けているわけですし、弊社案件でも「これ以上この商品無理ですよね」とご相談いただいた商品がリバイバル、生き返ったりすることはよくあることです。自分のことは自分が一番わからないといいますが、「自社商品のことも会社の人が一番わかってないんだよ」とは長年お付き合いあるクライアント社長様の言葉です。

こんなふうに、今いる組織で、マーケティング志向の思考をすれば、何がどう変わるかが腑に落ちる一冊だと思います。マーケティングの一式がまとまったノウハウ本も、ほにゃららマーケみたいな流行り本も良いですが、今何かで具体的な壁に立ち向かっている人には、一番効くのではないでしょうか。

最後に「マーケターの3つの役割」というのが書いてありまして、「扇動者・プロデューサー・経営者(経営者的観点)」。私はまだまだ扇動力が足りないな…2019の個人的目標といたします。

他にも読み直し本には(まだできてないな)と思うことがあったり、今までとは違うところが気になったり、大切な本は年に1回くらい読み直さないといけないなー、という毎年と同じ決意をいたしました。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。