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《パッケージデザイン》その役割と第一着目を生み出す視点

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▶パッケージデザインにおける第一着目
第一着目は、言わば売場で第一選好をクリアした、もっとも購入に近い数点の商品に入るための設計視点。その第一着目はどのようにして作り出せるのでしょうか。

▶その前に「デザインはわからない・・」を卒業しましょう
デザインする側のデザイナー・クリエイターであればまだしも、発注を行う企業側の方からよく聞く言葉は「デザインとかわからないから…」というもの。確かに専門的な勉強もトレーニングも積んでいないという意味では正しい発言でしょう。でも「デザイン経験有る社員はいなくても、良いデザインを生み出している会社」はたくさん存在しています。というよりも、ほとんどがそういう会社でしょう。

▶発注側に必要なのはプラン
発注側に必要なのはデザイン経験ではありません。ビジョンであり戦略であり計画です。この会社・商品はどんな会社・商品なのか、今の課題は何か、何に挑戦しようとしているのか、この先どうしたいのか。こういう情報が最も大切なんです。

それらをざっくりと「プラン」と呼びます。そのプランを聞いて、どういう接点を作り出し、意味を伝えることが適切かを考えて、デザインするのがデザイナー・クリエイターの仕事であり、専門性です。

つまり発注側はビジュアル的なことではなく、テキストで語れることをデザイナーにしっかりと伝えることが役目なんです。

▶デザイナーに必要なのは、デザインの目的
デザイナーは色や形や書体を選び作り組み合わせながらビジュアルを構成していきます。デザイナーは商業デザイナーと呼ばれる通り、自分の作りたいデザインをデザインしているわけではありません(もちろんその要素は有り、その要素も必要な所もあるのですが)。何かの目的を果たすためのデザインが求められていることです。

▶デザイナーの役割は「戦略のビジュアル化」
つまり「自身の作品」を作っているわけではないデザイナーは、どこの目的に向かうのか…が不明確では、適切なデザインができるはずないのです。その目的を理解するために必要なのが、企業側が提供する「テキストで語れるプラン」なのです。質問を繰り返し、プランの理解を深めることはあっても、話し合いで良いアイデアが生まれることはあっても、このプランなしでは始まりません。デザイナーの仕事は「戦略のビジュアル化」です。

▶しかし現実は…
そう説明するとびっくりされる企業さんもいらっしゃいます。
「前デザインしたときは、何色が好きかとか質問され、答えた通りのデザインができてきた」
「20タイプもデザインのバリエーションを見せられて、どう選べばよいかわからなかった」
などの話はもう何度も何度も聞きました。

しかし、これ、本当はおかしいんです。

▶デザイナーはデザインの専門家
この戦略のビジュアル化という専門性があるのがデザイナー。戦略という言葉が合わなければ、思いのビジュアル化であり、狙いのビジュアル化であり、未来のビジュアル化でもあります。

▶第一着目を得られないデザインは…
そんなデザイナーがパッケージデザインを行う時に欠かすことができない視点が「第一着目の創出」。どんな場で、どんな文脈で、どんな意味を持って、誰の「第一着目」に入るのか。その設計ができていないデザインは、可愛くても、かっこよくても、おしゃれでも、大好きでも、目指す結果は得にくいことになります。

▶第一着目を獲得するには。
そのために必要な3大要素は
①プラン:会社・商品のプラン
②デザイナー:①を理解してくれ、相性がよく、腕と気持ちが良いデザイナー
③理解し合う時間
ということになります。

つまり、第一着目を作り出すには、「デザインから考え始める」とうまく行かないことが多いということです。デザインファーストではなく、プランファースト・思想ファーストなんです。



ではでは、パッケージデザインとは本質的には何か?

続きは明日