《中小企業の採用》中小企業の採用の現実と人手不足倒産
▶中小企業・小規模事業者の人材採用は難しくなっている。
この3~4年、採用市場は「売り手市場」と言われています。人の採用が難しくなり、人手不足が恒常化している会社も増えてきているという話も耳にします。
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▶鹿児島県の有効求人倍率は上昇し続け
厚生労働省の「一般職業紹介状況」で確認すると、全国は下回っているものの、ここ鹿児島でも有効求人倍率は上昇し続けています。別の統計で職業別の有効求人倍率を確認すると、特に保安、建設・採掘、サービス、農林漁業のジャンルでの倍率が高くなっています。
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▶従業員規模でみる採用環境
次に同じ統計で求人数を従業員規模別で見てみると、従業員数300人以上と299人まででは状況が圧倒的に異なることがわかります。これ300人以上の規模では求人数はここ2年上昇していますが、大きな変化は示していません。一方、299人までの求人数は2010年を100%とすると173%(2018年)まで上昇しており、採用環境が急激に厳しくなってきていることがわかります。
▶大卒者求人倍率でも299人未満の企業の採用環境は急激に難化
次にリクルートワークス研究所「第35回ワークス大卒求人倍率調査」で従業員規模別での大卒者の求人倍率を見ると、従業員300~999人規模の企業では求人倍率微増程度にとどまっているのに対し、299人以下の企業では圧倒的に高くなり、直近では約10倍にまで高まっていることがわかります。
このように採用環境は従業員規模でみた時に圧倒的な差がでており、中小企業は相当な採用難に見舞われていることが伺えます。恐らく、小規模事業者など規模が小さくなるほど、この状況はより過酷な状況なのではないでしょうか。
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▶人手不足倒産は大げさなのか?
最近よく耳にするのは
「発注が来たけど、人手が手配できず、断ってしまった」(食品製造)
「アルバイトが不足していて、日曜日を休みにした」(飲食)
等の話です。人手が不足していることで、売上チャンスを逸しているわけです。もちろん、これをきっかけに生産性向上に務め、売上減でも利益確保する方策を考えることは大切な経営課題です。しかしこの採用難状況がさらに悪化すると・・・事業活動そのものが継続できない自体が発生することも、予測できる範囲には近づいている気がします。
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中小企業に就職したい人はいないよ・・・。
給料を上げるにも限度がある・・・。
都道府県別最低賃金で鹿児島が単独最下位から脱出し、最低ライン横並びになったことが最近報道されましたが、求職者にとって賃金は大きなインセンティブではあります。しかし本当のところ、就職先を探している求職者はどんな意識なのでしょうか?
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続きは明日。