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調査設計とインスタ映えを考えた2021.7.19week

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1:調査の実例~お客様ヒアリング
2:盛ればいいのか~写真的レッドオーシャン
3:今週のひとりごと

◎鹿児島のデザイン&マーケティング事務所STUDIO Kの週刊ジャーナルです。食のデザインやマーケティング、ブランディングから生産・製造・販売などの情報や活動記録について、これまでのメルマガをブログに移行しつつお届けします。

1:調査の実例~お客様ヒアリング

ヒアリング調査

今週は調査ウイークとも言えるほど調査設計・実施に取り掛かってました。とあるプロジェクトで4つの対象者群に対して5つの調査(4つweb調査、1つヒアリング調査)というボリューム、対象者の設定から調査票設計まで少々ハードな内容です。

その中の一つ、ヒアリング調査を今週実施。ヒアリングといってもグループインタビューではなく、店頭でユーザーに直接伺うというものです。直接の対面だと本音は言っていただけないのは当たり前のことなので、ファクト中心で拾っていきます。ファクト=事実です。「こんなの欲しいですか?=今後の意向」ではなく「前回は何を買いましたか?=過去の事実」を集めるということです。

たとえばAIを導入するなどして調査の精度をどこまで高めても、今後のことはなかなか参考にはなりません。(ビッグデータからトレンドを読むことで精度はもちろん上がりますが)ミスリードにつながることも多いものです。それよりは過去の事実を伺って、お客様像の輪郭をはっきりさせていけば、他の定量調査や世の中にすでに存在する調査(検索すれば山のようにでてきます)と組み合わせて、現在の課題や今後への期待もかなり想定しやすくなる、という考え方です。

今日は15名の方にお話を伺い、仮説の一部はすでに検証でき、解決策のいとぐちも複数見えてきました。誰かが行った調査結果を見るのもいいですが、自分で実感を積み重ねるのは何より大きな手がかりになります。次回は来週。

何百回やっても「ヒントはお客様の中にある」を実感します。次は4本の定量調査の実施、今日のヒアリング調査と組み合わせて、プロジェクトの方向性を定めていきたいものです。

2:盛ればいいのか~写真的レッドオーシャン

今週、とある写真家さんと「インスタ映え」について話をしました。「見た目をイケてる感じに盛っていく」写真がたいそうもてはやされているというのは、多くの方がご存知のことでしょう。なのですが、最近はその「インスタ映え=盛った写真」も完全に飽和状態

ちなみに「インスタ映え」という言葉の検索トレンドを見てみると下記のように。過去5年で2017年から急増し2018年がピーク、その後は減っています。

インスタ映え

この場合の検索数減少は、ニーズが減ったというより「当たり前になった」ということのように思われます。珍しくない、ある種のコモディティになったということです。コモディティになったということは、その市場はいわゆるレッドオーシャン、業火のごとく燃え盛る炎がメラメラ、血を血で洗う市場。いえいえ、そこに果敢に挑ものも良いのですが・・・。
※レッドーシャンはブルーオシャーン戦略の対のものとしてもう10数年以上前に刊行された経営書で話題になったもの。書籍はこちら『ブルーオーシャン戦略』

盛り盛りな写真がすでにコモディティなのですから、盛り盛り/コーディネートされ過ぎ/人の手入りすぎ/意図ミエミエみたいなところから、距離を置いた形のものを探していく、開発していくことがオリジナル性という意味では大切なこと。写真だって「盛り系」にしても「引き算系」にしても上手にオーガナイズされたものを「撮影」するというスタンスではなく、「開発」と思って取り組むことが、「誰でも写真家」「加工全盛」時代に必要なことではないかナというのが写真家との結論でした。写真はほんとうに記号性が強いです・・・。

3:今週のひとりごと

鹿児島ではコロナもステージ2になり県内旅行を後押しするためのクーポンなどが立て続けに発売になりました。県内旅行もですが、天文館の中も県外からの旅行者が明らかに増えてるようです。コロナ禍での2度目の夏、感染対策はしっかりした上で、何かしらの新しいスタイルを利用者側も観光業側も模索している中で、方策が見えてくるといいですね。今年の夏はけっこう人が動きそうです。