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鹿児島の不定期社食・月曜食堂 副菜の考え方

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弊社では繁忙期ではない時期の月曜に、スタッフが交代でランチを作って一緒に食べる月曜食堂という制度があります。他の曜日であっても月曜食堂。

今は超繁忙期なのでふだんだと実施しないのですが、美味しいものをいろいろ頂いたので、エイヤっと開催。到来物天国ですね。

今回は鹿屋産のうなぎと吟醸酒仕込みの明太子。嗜好品二点というのが、私の好みをよくご存知で…という感じです。ありがとうございます?

こういうときは、メインのうなぎと明太子の話をするんでしょうが、それは美味しくて当たり前なので、今日は副菜の組み合わせ方。誰が興味あるんでしょうね、こんなマイナーでマニアなテーマ。

うなぎ・明太子は味の輪郭がくっきり、テイストもしっかりアイテム。なので合わせるのは、それとは対極のもの。その方がリズムが出て飽きない、顧客満足度のためには欠かせない視点。

栄養バランス的には野菜、目には緑がほしい。うなぎ=茶、明太子=赤なので。はっきり言って新規のお客様との出会いはほぼ100%情報、うち8割ビジュアル。でもそれだけではビジネスは成立しない。だから見た目だけ信奉者の言うこと信じちゃダメ。利益出ないの、それ。単なるポジショントーク。

ボリューム的には野菜で2ポーションほしい、だからフレイバーとテクスチャーは2つきっちり分けたい。わけないと2ポーションの意味がない。

今回は小松菜ときゅうり。安かったので。安い=旬=栄養豊富。

夏らしく、かつ、メインの箸休め的役割を狙って、小松菜は茗荷と一緒に梅干しと和える。梅干しとうなぎとの取り合わせは…という迷信には理論で武装。茗荷の香りは夏を感じてサッパリ感、梅干しで変化を演出。茗荷はアクが少々強いので今日のメインをじゃましないよう塩して少しソフトに。

きゅうりは私の好みで種落として塩してリンゴ酢で酢の物。私はきゅうりの種部が好きではない、なぜなら水っぽくなるから。水っぽい料理は最悪、塩気の足りない料理みたいで。間が抜けた企画と一緒。拾うところ無し。たとえ栄養あったとしても。

合わせるのはわかめかなと一瞬迷ったが、香ばしいものがないから胡麻を振る。食感は小松菜がキュッとしてて、きゅうりはポリっとしてる。バランス最高。うなぎはうにゅふわ、明太子はふにゅプチだから。

もう一つ、マイルドまろやか系も欲しいな。うなぎはたまごと相性良いので出汁巻きたまご。敢えて食感を合わせるのもおもしろさ。うなぎとたまご、食感が似たものがあるとテイスト&フレイバーをミクスチャーする楽しみもある、色も黄色で変化がつくし。

東京の江戸前ではほぼ見ない、みたことないが、京都・大阪では、その取り合わせを名物化してるお店を探すのに苦労はない。

うなぎはたれが甘いからたまごは出汁を効かせて。こういう狙いのときのお出汁は、こんぶ+あご出汁またはいりこが最高。かつお節だとかつお節が勝ち過ぎるし、うなぎも明太子も海のものだから。味のイメージは丸く丸く。とにかく丸く。ほっこりする家庭の味を思い出すように。

そんな風に献立というものは作られます。これは撮影のときも同じこと。目に美味しいものは、味も栄養も色め食感もバランスが良いものなのです。

メインだけが美味しい食事は実は満足感が低い、だから献立力が問われる。つまりコースとしてのストーリー構成力。献立力が高いとメインが際立つ。それは商品紹介でかなり大切なこと。

撮影コンセプトから非現実的なものが求められるときもありますが、その距離感・離れ方レベルもリアルがわかってるからできること。そして、今は、非現実的なものはあまり惹かない。無条件で強かったのは2年前まで。

そんなことを話しながら食べる、一緒に。つまり月曜食堂は、そういう感覚を鍛えるための美味しい制度ナノデス。