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《食品表示》パッケージデザインと表示切替タイミング

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▶食品表示法の主な変更点
2015年4月1日に施行された食品表示法ですが、ここの所、切り替え対応がピークを迎えています。プロセス的には、変更情報の確定→パッケージデザインの変更→印刷→小売店への連絡→能因という流れ。時間コストと金銭コストが案外かかってしまいますが、せっかくなので、この機会を増収につなげていくのが賢いやり方ではないかと考えます。

加工食品の製造者、加工者、輸入者または販売者のいずれかが対応することになりますが、主な対応ポイント・変更点としては、
1)アレルギー表示のルール変更
2)栄養成分表示の義務化
3)表示レイアウトの変更(添加物の表記など)
4)原料原産地表示(※経過措置は2022年3月31日)
などが主な対応点となります。

▶経過措置期間は2020年3月31日
事業者の多くの方は「ベストな」表示変更タイミングを検討されていて、新商品発売時はもちろん新ルールに則ってパッケージデザインの情報整理を行っています。

問題は既存商品。現在の包材は使用できなくなるため、包材の在庫切れ・商品入替えの棚替えなどを見計らいながら、ロスを極小化できるタイミングで実施できたらベスト、というわけです。

弊社もパッケージデザインを多く手掛けているので、特に昨年からは既存商品の表示対応が都度都度発生し、お互いに対応リストをチェックしながら「あと残りは8点ですね」「これはいつ頃でしょうか」などと話し合いながら行っているところです。

▶そろそろバイヤーからは「いつ切り替え?」の声が
経過措置期間終了まではまだ8ヶ月あるとは言え、実はもう案外時間が無い・・・というのが正直なところです。もちろん「包材のロスはOK」という考えであれば、いつでも良いという考えもありますが、使用しない包材はゴミ、ムダになってしまいますし、商品の卸販売であれば小売店の事情も考えてみないといけません。

もちろん法律への対応、全商品において必要なことなので、他の商品入替えの時に発生しがちな「なぜ変更なの?」という否定的な反応にはなりませんが、できれば店内在庫の返品をお願いせざるを得ないような、ギリギリでの変更は控えたいもの。そんな商品が多くあったら、小売店さんも来年3月は目が回る慌ただしさでしょう。早めに対応が完了しているのが理想形。

そんなこともあって、まだ対応していない会社には昨年後半くらいから商談時に「いつ切り替え?」「まだなの?」という確認が入るケースが増えているようです。勝手に心中を推察してみたら(駆け込みはゴメンですよ)というところではないでしょうか。

▶デザイナーを悩ませているのがスペース問題
今回の変更対応のなかでデザイナーが一番困るのが栄養成分表示。なぜなら「一定のスペースの塊」がないと表示ができないからです。

小さな商品の場合、一括表示のスペースも極小。どうやって「表示ルール遵守の上で、見やすく情報を収めるか」に苦労していたのに、さらに「栄養表示スペースがいる~!」みたいな気分なのです。だから他の要素も含めて、アッチを動かし、コッチの行間を組み換え…けっこう涙ぐましい努力をしているんです。

でも読みやすく、ごちゃごちゃしないレイアウトを考え、一括表示情報の見た目を整えていくのもデザイナーの仕事。がんばるしかありません。弊社デザイナーもたまに(うーん)と唸っています。たまに「無理やり詰め込んだ感」満載の商品裏面レイアウトを見ると、これはデザイナーが関わっていない案件だな・・・と思う目安にもなりますね。

▶時間コストと金銭コスト、両方が発生
そんな風に、デザイン部分でも対応費用が発生しますが、もう一つ必要な費用があります。

これに伴って箱やフィルムなど包材の印刷用の版の変更が必要になるわけです。法律なので100%対応必須ですが、それでも点数が多いと、煩雑で時間をとられる上に、けっこうな版代がかかってくることになるんです。
※一括表示をシール機対応のケースを除く

▶対応コストをどこまで売上増の投資に変えられるか?
そんな風に結局版代がかかってしまうのであれば・・・
「消費者マインドが変わったことに対応できていないな?」
「売場に埋没しているケースが増えたな?」
「定番品ではあるけど古い、遅れてる感じがするな」
という商品パッケージの課題を一緒に解決することをおすすめします。

つまり表示対応を利用したパッケージ改善です。弊社でもパッケージ改善まで踏み込んだケースがけっこうありますが、いずれも「時間とお金の対応コスト」について相談する中で、生まれてきたものです。またこの機会であれば、バイヤーさんも既存商品リニューアルに、けっこうすんなりOKしてくれるという背景もあるようです。



既存商品にはお客様がついているから
そんなにパッケージを変えたりできないよ・・・。
という心配がお有りだと思いますが…それはそれで対応方法があるんです。

続きは明日

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