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販路開拓とリピートされる商品について考えた9.16&10.3w

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◎鹿児島のデザイン&マーケティング事務所STUDIO Kの定期ジャーナルです。地域や会社、食のデザインやマーケティング、ブランディングから生産・製造・販売などのニュースや活動記録についてお届けします。

1:寄稿しました『農業かごしま』~屋久島ヴィータキッチン
2:「ミツカン味ぽん」ロングセラー商品のパッケージデザイン
3:日々雑感~今売れている商品に0.07%の確率で選出されるということ

1:寄稿しました『農業かごしま』~屋久島ヴィータキッチン

今年度連載している鹿児島県発行の『農業かごしま:お客様に選ばれるためのマーケティング』11・12月号で、弊社のクライアントである屋久島ヴィータキッチンさんの「島外販路開拓のマーケティング事例」をご紹介しています。

最初にお会いした時のこと、一番入りたかった東京の超高質スーパーさんでのお取り扱いが決まったときの嬉しかったときのことなどを思い出しつつ、まとめたものです。

島外販売ゼロの状態から1つずつ着実にチャネル開拓をされてきた屋久島ヴィータキッチンさんのストーリーは、販路開拓を目指す方にはとても参考になるはずです。
ご興味おありの方はこちらからご覧ください。
https://studiok-co.jp/news/12665.html

2:「ミツカン味ぽん」ロングセラー商品のパッケージデザイン


ミツカンHPより。

ミツカンの「味ぽん」が新フレーバーを発売し、あわせて既存商品のパッケージもリニューアルしたという記事です。

→記事はこちらから。
https://www.advertimes.com/20220930/article397125/

味ぽんが最初に発売されたのは1964年(昭和39年)、その後、

〇用途提案:鍋の専用調味料→つけかけ調味料
〇ラインナップ拡充:味ぽん極み、焼肉味ぽん、サラダ味ぽん、おろし味ぽん・・・

等の利用拡大策を図りながら「味ぽん」ブランドは成長してきました。
→用途開発は新商品リリース時も、商品寿命の延伸時も、非常に重要な視点です!(創作料理のようなレシピを提供することとは全く違います)

しかし昨今20~30代の使用率が低いことが課題ということで、
「20~30代の若年層に好まれるように、肉に合うちょっぴり刺激的で辛いテイストが特徴(同社HPより)」の「うまピリ」を発売し、2009年に発売されていたお酢の風味がやわらかい「Mild」も一緒にパッケージデザインをリニューアルしたという内容です。

上の写真は同社HPでの紹介ですが、定番・うまピリ・マイルドの違いがわかりやすく、三角や丸というベーシックな図案を使いながら、違いが視覚的にわかりやすいデザインだなあと感じます。ムロツヨシさん出演のテレビCMでも3本並びで画面左下に表示されおり、ニーズに合わせて選んでもらうというスタンスが現れているようです。

またミツカンさんのHPにある「味ぽんHISTORY」がとても興味深く、ミツカンの人たちのたゆまない市場開拓・用途開拓・マーケティングの結果、味ぽんがロングセラーブランドになったということがよくわかります。果敢にていねいに育て上げたブランドです。すばらしい。

最初のパッケージデザインが、良く知られた白だいだい色帯上の赤文字とはずいぶん違うことがよくわかりますね。

→味ぽんHISTORYはこちらから。
https://www.mizkan.co.jp/ajipon/about/history/

3:日々雑感~今売れている商品に0.07%の確率で選出されるということ

曽於市の太陽漬物さんと先日お会いした時に、「九州つぼ漬け」が「日経POSセレクション2022」に選ばれたと伺いました。

日経POSセレクションは、約360,000商品のデータをもとに日経が選んだ、「今売上が伸びている276商品」を選んだものだそうで、その選出率はなんと0.07%。
記事はこちらから。
https://nkpos.nikkei.co.jp/posselection_2022/list

漬け物は「若い人が食べてくれない」など市場縮小が課題になっているジャンル。そしてCMなど広告・プロモーションを行っているわけでもなく、定番としてふつうに棚に並んでいる商品です。

そういうある意味地味目な商品が「今売上が伸びている」という基準で選ばれるというのは、リピート率がすごい!ということ以外考えらない…ですよね。

こういう形でお客様を増やし続けている、一度食べたら次も買っちゃう、脱落する人が少ない…こういう売れ方こそ「本当の商品力」

それを見抜けていなかったとは、まだまだ商品研究が足りないナ…そして、ミツカンさんの味ぽんもそうですが、「初めて買ってくれた人が次も買いたくなる」という1つ1つの購買行動の積み重ねがロングセラーにつながるのだ…と思わされた出来事でした。