新海誠展@宮崎アートセンター

一昨年から昨年にかけて、日本のみならず世界中で大ヒットしたという映画『君の名は』。
その監督である新海誠監督のアート展が開催されており、宮崎出張の途中で立ち寄りました。

展示内容は一番最初にほぼ一人で一台のMACで完成させたという25分間のフルデジタルアニメーション『ほしのこえ』から『君の名は』にいたる全6作品の、絵コンテやインタビュー記事が中心。『君の名は』を機上で見た時に作った人のことがとても気になっていたので、かなりの満足を得ました。

アニメーションが好きな人は、アニメーションがどう作られているのか、どんなふうにキャラクター設定がなされているのかわかってとても感激するようで、ずっと近い距離で移動していた高校生と思しき二人組は涙を流さんばかりの感激度。他にも映像が流されているコーナーは中高生が立ち尽くして見ていることが多く、彼らの心をひきつけて離さない強い魅力、すごいファンがいるんだな、ということを実感するには十分な光景でした。

一方私は、新海監督の創作への衝動に強く興味を持つに至り・・・。

第1作の『ほしのこえ』のあとアニメ雑誌で行った富野 由悠季監督との対談では、アナログとデジタルの捉え方の違いだったり(決して富野監督がデジタルを否定するわけではないのですが)、「一人でも作れる方法」を考え尽くして製作にのぞんだ新海監督の強い意思を感じることができました。

まだ第5作の『言の葉の庭』では、従来の新海ファンからの「これは違う!」という声に悩んだことが記されていました。このことがきっかけで、「自分が作りたいもの」と「みんなが読みたい」について考え尽くし、それが『君の名は』に結実したんだそうです。結実しすぎ・・・。

もっとも心打たれたのは、『秒速5センチメートル』のインタビューで語っておられたこの言葉。

「こういう映画を必要としている人が世の中にはたくさんいるに違いない」ということでした。どれも悲しい話ではあるんだけれども、登場人物たちをうつくしい風景の中に置くことで「あなたも美しさの一部です」というふうに肯定する、それによって誰かが励まされるんじゃないかとおもっていたんです」。

新海監督のすべての作品の底にはこういう気持ちが流れているのかもしれないな。それは、内容は異なっても、すべての働くひとが持っていたい気持ちだな…それが(棚や売場ではなく)社会にリリースする意味なのだろうなとしみじみと感じさせられました。

新海誠展は、宮崎アートセンターで5/27まで。
宮崎アートセンターは宮崎駅からすぐの中心地なので、展覧会観て、おぐらのチキン南蛮食べて、帰ってくるとよいのではないかしら。
宮崎駅までは鹿児島中央駅から特急で片道約2時間、2枚切符で往復5140円ですから、ちょうどお手頃な日帰りコースですよ。
http://shinkaimakoto-ten.com/